新潟妙高の発酵調味料〈かんずり〉
- 2020.01.07
日本には各地に独自の発酵文化があります。
妙高の「かんずり」は、新潟産の唐辛子に塩、麹、柚子を加えて熟成させた発酵食品。
寒中に仕込むので漢字では「寒造里」と書きます。
かんずりは、3年の月日をかけて作られます。
1年目
唐辛子の素材選びから収穫、塩漬け、雪さらし、元仕込み。
2年目
GW明けから夏前に、仕込んだ樽を攪拌し、空気を入れて発酵を促します。
また、保存している蔵の中で700個もの樽の場所を移動させ、均一な商品となります。
3年目
熟成発酵し、最後に「寒ざらし」。
冬場に樽を外に出して唐辛子の味を引き締めます。
出来上がったかんずりを加熱処理し、瓶詰めして出荷します。
かんずり仕込み1年目にある「雪さらし」は、毎年大寒の時期から2月末までに行います。
塩漬けされた唐辛子を3~4日ほど雪の上にさらすことで
唐辛子のあくを雪が吸い取り、辛さをマイルドにします。
この「雪さらし」は、一般の方にも体験していただけます。
ご宿泊の際に体験希望でしたら、当館までお問い合わせください。
真っ白な雪の上に真っ赤な唐辛子の美しいコントラストをぜひご覧ください。
「雪さらし」の工程は、ある冬の日、軒下に吊るしていた唐辛子が落ち、
その上に雪が積もり、溶けて食べてみたら味がマイルドになって美味しくなっていた。
という偶然からできたそうです。
今では観光の一環にまでなった妙高の名物です。
当宿ではお料理にはもちろん、テーブルにも「生かんずり」を置いています。
さまざまな料理に合いますので、いろいろ試してみてください。
「生かんずり」とは加熱処理をせず、麹の発酵を止めてないものです。
通常のかんずりと比べてゆずの風味を残した瑞々しい風味を持っています。
館内の売店では、かんずり酒盗やかんずりを売っています。
生のかんずりは、「かんずり本店」と「道の駅あらい」でしか手に入りません。
新潟土産にもおすすめですので、ぜひお立ち寄りください。
当館からお車で約30分です。